ムリに返す必要はなし!借金や過払いの相談は弁護士へ!
法律は債務者に制裁を求めていない
借金の責任は誰にある?
借金を背負ってしまい、それを返済できなくなる状況になってしまった場合であっても必ず債務者はその借金の返済を求められるのでしょうか。確かに、債務者自身でお金を借りる契約を締結して自身の目的のためにお金を浪費してしまうと、その責任は債務者本人にあるように見えてしまいます。
しかし、その一方でどうしてもお金を返済できない状況になってしまうケースも珍しくありません。例えば、自身が経営している会社を軌道に乗せようと考えていた場合に事業資金を借り、その事業資金を返済できなくなってしまうことは全て本人の責任になるのでしょうか。取引先が突然倒産してしまったり、未曽有の災害で社会全体の経済状況が悪化してしまった場合にはやむを得ない事情があると解釈することも可能です。
このように日常生活を普通に送っている状況下でも法律的な救いがないとすると、多くの人は怖くてお金を借りることができなくなってしまいます。そのため、こうしたケースでは債務者がムリをしてまで借金を返済することを法律も求めていません。
誰にでもどうすることもできない状況というのは発生しうることですので、そうしたケースではむしろ法律の力を借りて借金の返済を減額させたり、または借金をしていなかった状況にまで戻してくれる処置をとることもできるのです。ですから、借金を抱えてどうすることもできなくなった人は、まず法律の力で問題を解決できないかを考える必要があります。
やむを得ない事情とは?
法律的に求められるやむを得ない事情と言うのは、社会生活をしていて考えられる仕方がない事態のことを指しています。上記の会社経営の例もそうですが、不測の事態によって勝手に保証人にされていた場合や、近年では奨学金の返還で困窮してしまうケースもこうした事情の中に含まれています。
一般的な日常生活の中でも認められる事情と言うのは実はかなり多く、ごく普通の人が生活をしていて借金で苦しめられているときには、ほとんどの場合で減額処置に関しては認められると言っても過言ではありません。
もちろん、破産手続きのように審査が厳格な手続きもありますが、借金の滞納問題や貸金業者の過払い金問題に関してはよほど債務者が悪いという特別な事情がない限りは、法律の力を利用して問題を解決できると判断して良いのです。少なくとも、借金を抱えている人に対して法律は味方になってくれると考えて間違いありません。
まずは借金を整理する手続きを知っておこう
借金の減額や無効に関して具体的な手続きをする際には、債務整理という法律的な手続きを把握しておかなくてはいけません。借金を整理するというのは、抱えている借金を債務者の現状を考慮して返済できる金額にまで減額することを意味しています。もちろん、借金の状況がよほど悪かったときには債務自体を全てなかったことにすることも可能です。
これらの手続きは債務整理という法律的な手続きによって行われますが、債務整理は債務の状況に応じて4つの手続きを使い分けることが認められています。債務者がどのようなトラブルになっているのかを弁護士に相談して、借金や仕事の状況を加味しつつどの手続きが最も適切なのかを判断してもらう必要があります。
- 任意整理…簡単な話し合いによる手続き。
- 特定調停…裁判所が関わる話し合い。
- 民事再生…債務者の借金を強制的に減額。
- 自己破産…借金を0にする。
債務整理の中でも、任意整理は滞納問題や過払い金問題と言った簡易的なトラブルに利用されるケースが大半です。実際に、過払い金問題に関しては借金の程度によって弁護士に相談するだけではなく司法書士にも相談することが可能なくらいに使いやすい手続きです。借金の金額面を考慮すると弁護士に相談することが確実ですが、利用する際の門戸が広いということを知っておきましょう。
任意整理以外の方法に関しては、全て裁判所が関わった手続きになりますので相応の準備と手続きが必要になります。利用するときには、借金に関する利害関係人や状況をまとめて、弁護士に代理で手続きを行ってもらうことが普通です。特に、自己破産に関しては破産をする本人が家庭裁判所に行って状況を説明しなくてはいけませんので、相談をする際にはこの点も弁護士から説明を受けることになるでしょう。
任意整理と特定調停は違う手続き
任意整理と特定調停に関しては、手続きで似たような面がありますので混乱してしまわないように注意が必要です。任意整理も特定調停も、借金に関わる債務者と債権者が納得を行く形で話し合いをすることに変わりはありません。
ただ、任意整理に関してはこの話し合いに裁判所を必要としないメリットがあるのに対して、特定調停では裁判所が仲裁をして返済や合意に関する条件に口出しをすることがあります。任意整理と特定調停のこれらの違いは、下記の点でとても重要です。
- 手続きに必要な費用
- 話し合いの法的効果
任意整理は、裁判所を通さないので手続きに必要な書類は債権者に対して直接届けることになります。この際にかかる全体的な費用は債権者一社あたりでわずか3万円程度です。一方で、特定調停と言うのは裁判所が仲裁しますので、弁護士に依頼をすれば話し合いに必要な費用が任意整理の約10倍程度にもなります。
個人で行うケースでは、特定調停に関する一社当たりの手続きに関しては500円程度と相場はものすごく安く抑えることが可能なのですが、実はこれも正確に述べると間違いだと言えます。特定調停は、あくまでも借金の整理をするだけの手続きであるため、過払い金問題が借金問題と同時に存在する場合には借金問題だけの解決に終始して過払い金問題を解決することができません。
つまり、特定調停を利用した後にまた別途違う手続きで過払い金の返還請求をしなくてはならないのです。任意整理に伴う過払い金の返還請求の相場が一社当たりで3万円程度ですので、結局個人で手続きを行ったとしても任意整理以上の費用を支出しなくてはいけません。
ただ、特定調停を行うと裁判所が新しい借金に関する取り決めの法律的な効果を保証してくれるようになりますので、より安全に借金の減額をすることができることに違いはありません。任意整理の場合には、法律的な効果をきちんと第三者にも周知させるためには借金に関する新しい契約に債務者と債権者で同意をすることが求められます。
極端な例で述べれば、新しい契約に関して話し合いが進んだとしても、その契約に債権者が同意とサインをしてくれないと新しい契約の効果を発揮することができない難点があるわけです。任意整理と特定調停には、お互いにこのような違いがありますので忘れないようにしておきましょう。
わからなければ弁護士に任せておけば間違いない
個人の消費者が初めて借金のトラブルで困っている時は、債務整理の中でも任意整理を弁護士に相談しておけば間違いありません。債務整理の中でも任意整理の利用件数は多くて、日常生活における借金のトラブルのほとんどは任意整理で解決できます。
特に、弁護士協会全体でも任意整理を利用した過払い金や奨学金に関する対策は大々的に行われていますので、借金の減額の試算や過払い金の有無などはお金を払わなくても無料で行ってくれる弁護士事務所が多いです。借金問題を専門としている弁護士は少なくありませんので、任意整理から相談してそれで解決できないときには弁護士のアドバイスを受けながら他の債務整理を検討すると良いでしょう。
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